事例集
自筆証書遺言の検認と遺言執行者の選任
ケース
相続財産(遺産)
- 不動産:土地、戸建住宅
- 定期預金:500万円
相続人
被相続人の母Aと父B(離婚をしている)
問題点
- 自筆証書遺言には、「母に全財産を贈与する。」とある。
- 父は音信不通である。
このケースの問題点
相続の際、不動産の名義変更をするために「登記手続」が必要です。
登記手続においては、遺言に「相続させる」と書いてあれば問題もなく、母が単独で手続きができた。しかし、このケースのように「贈与する」と書いてある場合、母は父と共同して申請する必要があります。
つまり、父を探し出して協力を求める必要があります。
しかし、母Bと父Cは離婚して以来、音信不通であり、協力を求めるのは難しい状況でした。
このケースの解決事例
【1】「遺言書の検認」を行う(検認の手続はおよそ1カ月前後を要する。)
↓
【2】検認の手続き完了後「遺言執行者の選任」を申立てる。
↓
【3】不動産の名義変更手続、定期預金の手続完了。
※ 相続手続完了までの期間:約2カ月半
「遺言書の検認」を終えた後、遺言執行者選任の申立を行います。
遺言執行者の候補者は母にします。
母が、遺言執行者として選任されれば、父の協力なくして母1人で手続ができます。
少し難しいケースですが、相続登記を申請する際の登記の原因は「遺贈」となります。